フェルスタッペンが再び「F1界のルール」を破ってペナルティ。なぜ同じ過ちを繰り返すのか (5ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

激しいブレーキングを見せるレッドブルとメルセデスAMG激しいブレーキングを見せるレッドブルとメルセデスAMGこの記事に関連する写真を見る【天国から地獄へ】

 しかし、これは現在のF1のスチュワード裁定基準からはズレている。どんなバトルを理想とするかは各自の勝手だが、今のF1は今のルールで行なわれている。それをフェルスタッペンのみならずチーム全体が理解していないのだから、同じような場面に直面するたびに同じようなドライビングを繰り返し、同じように相手を危険に晒して、同じようにペナルティを科されることになる。

 負けたレースに向き合い、何が敗因であったのか理解し、自分たちに足りない部分を成長させていかなければ、また同じミスは起きる。天国から地獄へ......それは誰かに突き落とされたわけではなく、自らが気づかないうちに踏み外した道だ。

 泣いても笑っても、2021年シーズンはあと1戦しかない。ここで相手よりも前でフィニッシュした者がチャンピオンになる。マシンパッケージはほぼ同等で、いかにセットアップで性能をフルに引き出せるかどうかが勝負をわける。

 その最終決戦で地獄へと落ちることがないよう、フェルスタッペンとレッドブル・ホンダにはF1の王者にふさわしいレースをしてもらいたい。

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