相性◎。レッドブル・ホンダはシンガポールGPで是が非でも勝ちたい

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 第15戦・シンガポールGPに臨むレッドブル・ホンダは、優勝に照準を合わせている。

 ホンダは夏休み明けの超高速2連戦にスペック4パワーユニットを投入し、その性能を確認した。マシン特性が合っているとは言いがたいモンツァ(第14戦・イタリアGP)でも、決勝ではトップに匹敵するパフォーマンスを発揮し、残りの7戦に向けて強い手応えを掴んだ。

レッドブル・ホンダは市街地の低速コースで今季3勝目を狙うレッドブル・ホンダは市街地の低速コースで今季3勝目を狙う その7戦のなかで、最もマシン特性に合っているレースのひとつがシンガポールGPであり、彼らが優勝を狙うのは当然のことだ。

 パワーセンシティビティ(パワー多寡がラップタムに及ぼす影響)が低いサーキットであるにもかかわらず、週末を通して最新のスペック4を使うというのも、レッドブルの本気の表われである。

 マックス・フェルスタッペンはあくまで慎重に、この週末への期待を語った。

「いい週末になれば、という期待はあるよ。だけど、何の保証があるわけでもない。そのためには、さまざまなことを完璧にまとめ上げなければならないし、とくにここは予選が重要だ。レース週末を通して、予選・決勝に向けていいセットアップを見つけなければならない。

 ここはフリー走行が昼間に行なわれて、本番は夜だから、変にセットアップ面で引っ張られないようにしなければならない。いい結果が期待できるかどうか、それを語るには正しく仕上げるべきことがたくさんあるよ」

 たしかに、メルセデスAMGは低速コーナーで圧倒的な速さを見せており、モナコでもレッドブルを抑えて勝利を収めている。

 しかしその後、レッドブルは第9戦・オーストリアGPから急激にマシン性能を向上させ、第12戦・ハンガリーGPではポールポジションを獲得するまでに成長した。大幅に進化したRB15で戦う初めての市街地サーキットだけに、レッドブルの期待値は高く、少しでも不利は小さくしておこうとスペック4の使用を決めたというわけだ。

「パワーセンシティビティが低かろうが高かろうが、パワーが出ていてパフォーマンスの高いものを使うことに意味はありますからね。クルマとドライバーとタイヤのパフォーマンスを見た時、ここでのクルマとしてのパフォーマンスがどうか、パワーユニットとしての(各スペックの)パフォーマンスを足し算したらどうなるか、そのバランスを考えながら(コンポーネントの)やりくりを決めています」(ホンダ・田辺豊治テクニカルディレクター)

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