室屋義秀がエアレースで有終の美。総合優勝ならずも「100%満足」 (4ページ目)
レース後の記者会見でも室屋は満面の笑顔 ラウンド・オブ・14では、世界チャンピオンへの最短距離にいたマルティン・ソンカが、まさかの敗退。室屋にしてもベン・マーフィーに敗れ、ファステスト・ルーザー(敗者の中の最速タイム)での敗者復活だった。レース開始早々から予期せぬ出来事が次々に起きた波乱の最終戦は、ともに2009年デビューの同期パイロットふたりが、最後の最後まで年間総合優勝を争った。
ファイナル4の最後に飛んだホールが、フィニッシュゲートを通過する、その瞬間まで決着がつかなかったマッチレースは、まさに名勝負と呼ぶにふさわしいものだった。
その果てに決着を見た同期対決を、"たられば"で語るのは、やはり無粋なのだろう。当の室屋自身も、笑顔でこう語っている。
「長い間一緒に戦ってきた仲間であり、ライバルでもあるマットが、世界チャンピオンになれて、僕もうれしい」
互いが死力を尽くして繰り広げた激闘が終わった今、すべきことは、1ポイント差の準優勝を残念がることではない。室屋の最終戦勝利を喜び、4度目の正直でたどり着いたホールの世界一を称えたい。
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