元エースの大ベテランがシート喪失。
スーパーGTに世代交代の波 (3ページ目)
ベテランがシートを離れた代わりに、レクサス勢は積極的に若手ドライバーを起用した。2019年も注目の選手ふたりがGT300クラスからステップアップしてくる。
ひとりは、昨年の全日本F3選手権で19戦中17勝を挙げる活躍を見せた坪井翔。スーパーGTでは「町工場のGT王者」として知られるつちやエンジニアリングに在籍し、土屋武士監督のもとで成長を遂げた23歳だ。昨年の第2戦・富士では小林可夢偉の代役としてGT500クラスに初参戦し、ぶっつけ本番のレースだったにもかかわらず堂々とトップ争いを演じた。
今年はWedsSport ADVAN LC500に加入し、国本雄資とコンビを組む。現在国内でもっとも勢いに乗っているドライバーのひとりだけに、さらなる活躍が期待されている。
そしてもうひとりは、中山雄一。GT300クラスではフル参戦4シーズンで合計7勝をマークし、常にチャンピオン争いに絡む活躍をみせている27歳だ。安定感も抜群で、今年は満を持してGT500クラスにステップアップする。
中山の加入するDENSO KOBELCO SARD LC500のパートナーは、GT500チャンピオン経験もあるヘイキ・コバライネン。経験豊富な元F1ドライバーから何を吸収するのか、中山の走りにも注目である。
世代交代の波が一気に押し寄せてきた2019年のスーパーGTは、間違いなく大きな転換期を迎えている。本山哲や小暮卓史など一時代を築いたドライバーが最高峰クラスから退いていくことで、各陣営からは次世代を担う新エースたちが生まれてくるのだ。
全日本GT選手権時代から数えて、今年で26年目となった国内最高峰のレース「スーパーGT」。新たな時代の幕開けを見逃してはならない。
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