ホンダ勢、ライバルの地元で完勝!佐藤琢磨も今季初のトップ5入り (2ページ目)

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano 松本浩明●写真 photo by Hiroaki Matsumoto

 一方、インディ覇者のチーム・ペンスキーはシボレーのお膝元で意外な苦戦を強いられた。インディカーGP、インディ500と連勝して波に乗っているはずのウィル・パワーの予選6位が最上位。シモン・パジェノー、ジョセフ・ニューガーデンは予選13、14位と中団に埋もれた。

 レースはアンドレッティ勢とディクソンの対決になった。ポールからマルコが逃げ、ロッシも上位で戦い続けた。一方、ハンター-レイは序盤の早い段階でピットストップを行なう3ストップ作戦に打って出た。孤軍奮闘のディクソンは、序盤はマルコの背後にピタリとつけて燃費をセーブ。1回目のピットストップまで相手より1周長く走り、ピット作業の速さも味方につけてトップに立った。

 レース中盤からはディクソンが逃げる展開になった。そこに異なるピット戦略のハンター-レイが、燃料セーブが不要で、タイヤも新品を投入できる点を武器に、全ラップを予選アタックのように走って優勝争いへと加わってきた。

 ディクソン対ハンター-レイ、2人のベテランによるバトルは見応えあるものになった。

 ディクソンは、予選こそ攻め過ぎた走りが仇となってポールポジションを逃したが、レース、それもトップに立つ展開でミスを犯すことは稀だ。冷静な戦いぶりで4回もチャンピオンになった。ハンター-レイの走りも気迫に満ち溢れたものだったが、ディクソンは今季初優勝へと逃げ切った。3位にはロッシ、4位にはマルコ・アンドレッティが続いた。

 インディカーGPで2位、インディ500で3位と、ジワジワ調子を上げてきたディクソンは、ビクトリーレーンで「この勝利は大きい。今年もまずは1勝を挙げることができた。1回目のピットストップでマルコの前に出たのがカギだった。ピットストップの速さなど、チームの力で勝利を掴んだ」と笑顔を見せた。

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