ホンダが味わう疎外感。マクラーレンと最後まで、うまくやっていけるか (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 フェルナンド・アロンソがそう明言していたように、マシン特性に合う重点レースと位置づけていたにしては、上位勢に大きな差をつけられてしまった。シンガポールのマリーナベイ市街地サーキットでは、パワーの影響が0.1秒/10kW(約13.6馬力)にも満たない。

「正直言うと、もう少し上にいけるかなという気持ちはありました。もしかするとトップ3の一角は崩せるのではないか、という期待も少しありました。ここ数戦で想定以上にルノーが上がってきたなというのは感じています。レッドブルもかなり速くなっていますから、特にパワーユニットがよくなってきているんだろうと思います」

 ホンダの長谷川祐介F1総責任者はそう語るが、予選モードで出力を上げるホンダとルノーの差は大きく見積もっても20kW程度だろう。フェラーリとの差は20kW、予選モードを使うメルセデスAMGとでも40kW程度の差だ。それがラップタイムに及ぼす影響を考えれば、フェラーリとの1.688秒という差はチームを大きく落胆させるほど想定を大幅に上回るものだったというのもうなずける(レッドブルとは1.365秒、メルセデスAMGとは1.053秒差)。

「きちんとラップをまとめていれば、トップから1秒差くらいにまではいけたはずだ。少なくとも、ルノーに負けることはなかった」

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