ホンダが味わう疎外感。マクラーレンと最後まで、うまくやっていけるか (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 モリスはそう主張するが、予選Q1・Q2からのタイムの伸びしろはルノーもマクラーレンもほぼ同じで、予選を通してルノーと接戦であったことは疑いようがない。トップから1秒差というのは、約0.4秒というパワーユニットのハンディキャップから逆算した願望値でしかない。

 シンガポールでのマクラーレン・ホンダは、明らかに期待以下だった。

「ホンダとしては、これまでずっとマクラーレンと継続することが我々の目指すところだと言ってきましたが、それは嘘でも何でもなくてずっとその方針でやってきましたし、マクラーレンとともに勝利を収めたいという気持ちでずっとやってきました。ですから、こういう結論に至ったことは本当に涙が出るほど残念です。しかもその理由の大半が、ホンダのパフォーマンスと信頼性の不足からきていることは明らかですから、その責任を痛感しています」

 金曜のFP-1(フリー走行1回目)終了後にマクラーレンとホンダの提携が今季限りで解消されることが正式に発表され、長谷川総責任者はそう語った。その目にはうっすらと涙がにじみ、技術者として言葉にできないほどの悔しさがありありとうかがえた。

 ただし、パワーユニットの出力は6月末のスペック3、そして8月末のスペック3.5でライバルたちとの差を縮め、マシンパッケージとして入賞圏を争う力は十分につけてきた。それよりもマクラーレンが失望したのは、信頼性の問題だと長谷川総責任者は語る。

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