38歳ロッシが19戦ぶりの歓喜。0.063秒差でダッチTTを制す (3ページ目)

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira
  • 竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

「新しい車体がウェットでどう機能するか、ということに興味があった。17年型(スタンダード)ではウェットコンディションで苦労していたので、今日は悪くなかった」

 その口ぶりや表情からも、決勝レースでトップ争いの一角を占める自信はありありとうかがえた。

 日曜午後の決勝は、ドライコンディションを維持したものの、どんよりと重い空の下、いつ雨が来てもおかしくない状況でレースがスタートした。ロッシは序盤から先頭グループを構成し、12周目にトップに立った。

 ダニロ・ペトルッチ(プラマック・レーシング/ドゥカティ)と激しいトップ争いを続けていた19周目には、「フラッグ・トゥ・フラッグ」ルールでマシン交換(今回の場合はドライ用のスリックタイヤからウェット用のレインタイヤを装着したマシンへの乗り換え)を許可する白旗がコース上のマーシャルポストに提示された。マシン交換のためにピットへ戻れば、トップグループから脱落してしまう。だが、雨が激しくなれば、早めにマシン交換をした者が一気に有利なポジションに躍り出る。

 上位陣の選手たちは、互いの動向を見極めながらも誰もピットには戻らず、コース上に残って争い続けた。幸い、雨脚が強くなることはなく、ロッシとペトルッチの一騎打ち状態が続き、26周の戦いを終えたロッシはペトルッチよりも0.063秒早くチェッカーフラッグを受けた。

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