ザウバー・ホンダ誕生の事情。両陣営が抱える「メリット&デメリット」 (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 契約は「2018年から複数年」とだけ明らかにされているが、実際には現行パワーユニット規定が固定される2020年までの3年間だと言われている。来季のザウバーにはマクラーレン・ホンダと同一スペックの2018年型が供給され、現在フェラーリからパワーユニットと合わせて供給を受けているギアボックスは、それに代わってマクラーレンから供給の確約を受けているという。

 このザウバーとホンダのカスタマー供給契約には、双方にとってメリットとデメリットがある。

 まずザウバーにとっては、現在最弱のパワーユニットであるホンダにスイッチすることにデメリットがあるのではないか? そう問いかけると、すでに栃木県さくら市にあるHRD Sakuraを訪れて自分の目で確かめてきたというカルテンボーン代表は一笑に付した。

「私としては、ネガティブな要素はないと思っています。確かに今のホンダの現状は厳しいものですが、私も実際にさくら市のホンダの施設を訪れ、そこで働く人たちがいかに献身的に仕事をしているかを見て、来季の性能向上は間違いないと確信しています」

 カルテンボーン代表がそう語るのは、ずっと供給を受けてきたフェラーリのパワーユニットも2014年は性能面でも信頼性面でもかなり苦しい戦いを強いられ、それが2015年になってようやく解決してきたという経験をしているからだ。

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