ホンダvsホンダの超高速バトル。インディカー今季2勝目はワンツー (2ページ目)

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano  松本浩明●写真 photo by Hiroaki Matsumoto

 もちろん、ホンダも負けてばかりはいられない。彼らはタイトルこそ手にしていないが、年間チャンピオンと同等以上の価値があると言われる世界最大のレース=インディ500で勝ち星を重ねている。シボレー復帰から今年は5年目になるが、その間ホンダはインディ500で3勝。ワンメイク時代のものも含めると通算11勝を挙げている。意外なことに通算優勝回数でもホンダはシボレーを上回っている。シボレーにも80年代にほぼワンメイクの時代があったが、通算優勝回数は9回だ。
 
 ホンダとシボレーによるメーカー対決は白熱しているが、2015年にインディカー・シリーズがエアロキットを採用すると、シボレーの優位が大きくなった。ダラーラ製シャシーに装着するエアロパーツは、自動車メーカーが開発、供給するルールとなり、より大きなダウンフォースとより小さなドラッグという背反する条件をシボレーがホンダより高い次元で実現してみせたのだ。2015年、シボレーは16戦で10勝をマークした。

 2016年に向けては、形勢不利にあったホンダに、シボレーより多くのエリアでの改良が認められた。しかし、シボレーの優位は逆に大きくなった。2016年用エアロは2015年のエアロを正常進化させたものとなっているため、1シーズンを戦ってノウハウを積み上げたシボレー勢は、性能をさらに引き出して戦闘力がアップしたからだ。

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