【F1】枯れ葉、ゴミ、仮舗装。世界遺産の難コースをベッテルのみ大歓迎 (4ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

古い街並みと近代建築が交じり合う観光都市バクー古い街並みと近代建築が交じり合う観光都市バクー GP2のレースでは、セーフティカー(SC)が解除されているのに一部コース脇のライトシステムでSC表示がなされたままだったり、映像にはっきりとは映されなかったが、事故処理が終わっているのに延々と黄旗やセーフティカー状態が続き、コースに何らかの問題が起きていることをうかがわせる場面もあった。

 なにより、ターン16から最終ターン20まで全開で駆け抜けることができ、メインストレートを挟んでターン1まで2.1kmにわたってスロットル全開区間が続くという、極めて特殊なレイアウトが巻き起こした問題もあった。

 スリップストリームが効き過ぎるがゆえにDRS(※)の効果も大き過ぎ、両者を使えばストレートエンドでは最高速が364.4km/h(ルイス・ハミルトン)にも達し、オーバーテイクが容易になりすぎた。それゆえにGP2のレースでは、セーフティカーからの再スタートの際にも後続車両の間隔が縮まり、混乱が起きやすいことがわかった。また、最終セクションは全開区間とはいえ曲がりくねっているため、セーフティカーの位置が見えなくなり、加速してきたマシン群が追いついてしまうという混乱もあった。

※DRS=Drag Reduction Systemの略。ドラッグ削減システム/ダウンフォース抑制システム。

 それでもコースサイドのマーシャルは、2004年からの開催経験を持つバーレーンから支援を受け、各ポストで地元スタッフと連携して作業を進めた。マシン回収に時間がかかることもあったが、コンクリートウォールに囲まれた不慣れな環境だけに上出来と言ってよいだろう。

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