日本人初のモナコ制覇。GP2松下信治が語る「F1への想い」 (5ページ目)
その悪い流れを断ち切りたかった第2戦・モナコでも、フリー走行のクラッシュでさらに悪化させてしまい、レース1の途中までは絶望的な展開だった。
力が入りすぎていたと、鈴木亜久里アドバイザーも語る。
「今年のノブ(松下)はプレッシャーがすごくあって、(開幕戦)バルセロナのときからうまく走れていなかったよね。木曜の走り始めでクラッシュしちゃったのもそう。力が入っちゃってた。レースってもっと自然体で乗らないといけないからね。ゴルフと一緒でさ、力を入れたからって飛ぶわけじゃなくて、力を抜いてスムーズに振ったほうがいいじゃない? そういう走り方で『楽しんでレースやりなよ』っていう話をしたんだ。モナコでは、悪い流れを自分でもとに戻せたと思う。次につながるレースができたよね」
F1へのステップアップという点では、適切なシートに空きがあるかといった客観的状況と、政治的な影響も受けるだろう。
しかし、ホンダの長谷川祐介F1総責任者も、松下のF1昇格に向けて前向きに評価しているうえ、「日本人F1ドライバーの誕生」に向けた育成支援も示唆している。
「僕は、彼のデータ等も含めてすべてを見ているわけではないのでなんとも言えませんけど、少なくとも今回のレースを見るかぎりでは、十分にそのスキルはあると思いますし、あとは経験などを示すチャンスだけだと思いますね。少なくとも、ホンダとしては日本人F1ドライバーを輩出させる責任を負っていると思いますし、彼にはぜひ、今季スーパーライセンスが取れるレベルまで成績を伸ばしてほしいですね」
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