【F1】ドライバー絶賛。「世界最高のサーキット」鈴鹿の魅力とは

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki  桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

「イチバン!イチバン! 最高だ!」

 日本GPのチェッカーを受けたセバスチャン・ベッテル(レッドブル)は、喜びを爆発させながら無線で叫んだ。ウイニングランを堪能し表彰台の中央へとたどり着いた彼に、鈴鹿の観客スタンドのファンから温かい拍手と声援が送られた。
優勝はベッテル(中央)。2位は今季で引退するウェバー。3位にはグロージャンが入った優勝はベッテル(中央)。2位は今季で引退するウェバー。3位にはグロージャンが入った シーズン後半戦に突入して以来無敵のベッテルに対しては、そのあまりの強さゆえ、いつしかブーイングが浴びせられるようになっていた。モンツァ(イタリア)でも、シンガポールでも、彼は観客席からの雑音に表情を曇らせた。だが、鈴鹿は違った。

 開口一番、ベッテルは「コンニチワ!」と日本語で挨拶し、ファンに語りかけた。

「日本のファンの人たちは、本当にF1のことを熱狂的に愛してくれているし、僕たちに対してとても大きな応援とリスペクトの気持ちを持ってくれている。ファンのみんなが素晴らしくて、だからこそ鈴鹿は特別なんだ。まずはそれが一番で、しかも優勝できればこんなに嬉しいことはないよ」

 ヘルメットのカラーリングをレースごとに変えて楽しむことで知られるベッテルが、日本GPのときは毎年必ず日の丸をあしらう。それは、日本のファンへ、感謝の気持ちを少しでも伝えたいから。それほど、ベッテルは日本のファンと日本GPを愛している。

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