2012.11.20

【F1】ベッテル対アロンソ。
直接対決なきチャンピオン争いは最終戦へ

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

USGPはマクラーレンのハミルトン(写真中央右)が優勝。2位にベッテル(レッドブル/左)、3位はアロンソ(フェラーリ/右) セバスチャン・ベッテル(レッドブル)対フェルナンド・アロンソ(フェラーリ)。このふたりによる2012年のチャンピオン争いは、まったくと言っていいほどコース上での直接対決を経ないままに最終局面を迎えた。

 2戦を残してふたりのポイント差は10。優勝すれば25ポイントが与えられるとはいえ、USGPでベッテルが優勝してもアロンソが4位以内に入れば、決戦は最終戦ブラジルGPに持ち越される。初開催の第19戦USGPでタイトルが決まる可能性は低いと思われた。

 しかし、予選を終えてみればベッテルはポールポジション、一方のアロンソは8番グリッド。シーズンを振り返ってみれば驚くほど直接対決が少なかったことからもわかるとおり、レッドブルRB8とフェラーリF2012の性能差はきわめて大きい。USGPの決勝を前に、俄然タイトル確定の可能性が大きくなった。

 これを何としてでも阻止したいフェラーリのステファノ・ドメニカリ代表は、決勝日の朝に大きな決断を下した。

 6番グリッドにつくはずだったフェリペ・マッサ(フェラーリ)のギアボックスを開け、5戦連続使用の規定を故意に破ることで5グリッド降格ペナルティを受け、アロンソのスタート位置を7番グリッドに押し上げたのだ。

「(スタートする位置が)イン側とアウト側でグリップレベルが大きく異なることは、事前に把握していた。だからスタートのパフォーマンスを最大限に高めるため、決断を下したんだ。それは特にフェルナンドのための決断だ」