人間好きでブーブー鳴くシンハライトは、オークスでこそ真価を発揮

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • 村田利之●撮影 photo by Murata Toshiyuki

 5月22日に開催されるGIオークス(東京・芝2400m)。牝馬クラシック第1弾のGI桜花賞(4月10日/阪神・芝1600m)では、無念のハナ差2着となったシンハライト(牝3歳)が、その悔しさをバネにして同舞台でのタイトル奪取を目指す。

宿敵が次々に回避し、オークスでは「1強」となったシンハライト宿敵が次々に回避し、オークスでは「1強」となったシンハライト 昨年10月にデビュー勝ちを収めたシンハライトは、そこから無傷の3連勝を飾った。2戦目でオープン特別の紅梅S(1月17日/京都・芝1400m)を勝利すると、3戦目には桜花賞トライアルのGIIIチューリップ賞(3月5日/阪神・芝1600m)を制覇。僅差の勝利ながら、勝ちタイムは1分32秒8のレースレコードを記録した。

 迎えた桜花賞。2歳女王で断然人気のメジャーエンブレム(牝3歳)を目標にしてレースを展開。早めに仕掛けて"女王"を難なくとらえると、直線半ばで先頭に立った。が、最後は後方待機に徹したジュエラー(牝3歳)の強襲に屈した。わずか2cmの差だった。

 ジュエラーは、シンハライトが勝ったチューリップ賞でもハナ差の激戦を演じた宿敵。桜の舞台では逆転を許したものの、この2頭に実力差はなく、展開のアヤと言っていい敗戦だった。

 そういう意味では、オークスが両者の決着をつける一戦になると思われた。ところが、レースを目前にして、その宿敵・ジュエラーが骨折。同レースを回避することになってしまった。また、桜花賞で人気を集めたメジャーエンブレムは、別路線に矛先を変えて(5月8日、NHKマイルCで優勝)不参加。相次ぐライバルたちの離脱で、シンハライトは図らずも"負けられない立場"となった。

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