【競馬】日本競馬界の「異端児」パカパカファームの未来

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • 写真提供●パカパカファーム

『パカパカファーム』成功の舞台裏
連載●最終回

アイルランド人のハリー・スウィーニィ氏は、故郷から遠く離れた日本でパカパカファームを開場し、競走馬の生産に日々励んでいる。日本ダービーを制したディープブリランテをはじめ、これまでに3頭のGI馬を輩出してきた。しかし、彼が現状に満足することはない。さらなる進化・発展のために、大いなる"野望"を抱いている。この連載の締めくくりとして、そんなスウィーニィ氏の果てしない思い、そして未来への決意を綴る――。

広大な牧場を駆け回るパカパカファームの若き駿馬たち。広大な牧場を駆け回るパカパカファームの若き駿馬たち。 1990年4月4日、初めて日本にやって来たハリー・スウィーニィ氏。このとき、大樹ファーム(北海道大樹町)の場長兼獣医師として招かれた彼は、当初、日本に"半年ほど"滞在するつもりで来日したという。

 しかし、その目算は大きく外れ、彼は大樹ファームで5年の時を過ごした。さらにその後、待兼牧場(北海道日高町)のゼネラルマネージャーとして3年間勤務すると、個人トレーダーを経て、2001年にパカパカファームを開場。2007年のNHKマイルカップを制したピンクカメオを皮切りに、2012年のダービーを勝ったディープブリランテ、今年のNHKマイルカップを優勝したクラリティスカイと、次々にGI馬を輩出する気鋭の牧場を作り上げてきた。

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