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シンエンペラー、凱旋門賞へ膨らむ期待 前哨戦で見せた走りに海外記者たちの評価が急上昇 (3ページ目)

  • 土屋真光●取材・文 text&photo by Tsuchitya Masamitsu

 こうした結果を受けて、「凱旋門賞では、シンエンペラーが面白いぞ」と反応したのが、フランスの記者たちだ。と同時に、欧州の各主要ブックメーカーも同様の反応を示し、それがオッズにも表われ始めている。その理由を代弁するように、あるフランスの記者が言う。

「(シンエンペラーは)これから良化の余地を残して、あの競馬の内容。ここまで、突出した成績を残しているわけではないが、だからといって軽視していい存在ではない。少なくとも、ここ数年の日本からの挑戦者のなかでは、最も"やってくれそう"な存在」

 彼らが注目するのは、アイリッシュチャンピオンSの好結果だけではない。シンエンペラーの血統背景にある。全兄ソットサスが不良馬場だった2020年の凱旋門賞を制覇。同馬は3歳時にも参戦して3着と好走しており、その血を引くシンエンペラーへの期待が高まっているのだ。

 ブックメーカー各社では、ソシエが1番人気となり、長く1番人気の評価を受けていたルックドゥヴェガが2番人気に陥落。そのなかで、シンエンペラーは3~4番人気の評価にある。

 これまで、日本調教馬が海外の前哨戦を勝って本番に挑んだことは多々あるが、余力を残した状態で内容のあるレースを見せて本番に向かうことは決して多くない。はたしてシンエンペラーは、日本調教馬が成しえなかった凱旋門賞の勝利の扉をこじ開けることができるのか。迫りくる大一番が待ち遠しい。

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