スプリングSで好配当をもたらす2頭 波乱続きのトライアル戦は馬券的な妙味を重視すべし

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu

 GI皐月賞(4月14日/中山・芝2000m)のトライアル戦となるGIIスプリングS(中山・芝1800m)が3月17日に行なわれる。

 過去10年の結果を振り返ってみると、1番人気は馬券圏内(3着以内)に7回入っており、その信頼度はまずまず。しかしながら、勝利しているのはわずか1回。それゆえ、日刊スポーツの松田直樹記者はこう語る。

「スプリングSは人気が当てにならない――そう断言していいレースです。過去10年で1番人気が勝ったのは、2018年のステルヴィオだけ。難解な一戦と言えます。

 さらに、トライアル戦でありながら、過去10年でここから皐月賞優勝馬は1頭しか出ていません(2018年の2着エポカドーロ)。本番に直結するレースかというと、そうとも言い難いですね」

 加えて、今年の3歳戦線は牡馬、牝馬ともに、クラシックの前哨戦となるレースで主役候補がことごとく人気を裏切っている。特に3月に入ってからのトライアル戦では、4戦すべてで1番人気が敗れている。松田記者もその点について指摘する。

「人気どおりにいかないのが、今年の3歳戦線です。

 牝馬路線では、桜花賞トライアルの3競走全部が波乱の決着。GIIチューリップ賞では5番人気のスウィープフィート、GIIフィリーズレビューでは11番人気のエトヴプレ、リステッド競走のアネモネSでは3番人気のキャットファイトが勝利し、1番人気で優先出走権を得たのは、フィリーズレビューで2着に入ったコラソンビートだけでした。

 結局、優先出走権を獲得した馬の平均人気は7.5。今年の3歳戦線がいかに混沌としているかがよくわかります。

 片や、牡馬路線も同様です。先日行なわれたGII弥生賞(3月3日/中山・芝2000m)では、1着コスモキュランダ(6番人気)、2着シンエンペラー(3番人気)、3着シリウスコルト(9番人気)という決着。1、2番人気はともに馬群に沈んでしまいました。

 ローテの多様化によって、予想の難しさが増しているのかもしれませんが、今年のトライアルは例年以上にひと筋縄ではいきません。馬券検討においては、オッズの妙味を考慮することも決して間違いではないでしょう」

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