宝塚記念の大本命イクイノックス 「初モノづくし」の同馬につけ入る隙は本当にないのか (2ページ目)
関西初参戦ゆえ、阪神コースを走るのは初。2200mの距離も初めてで、海外帰りの"帰国初戦"という条件で出走するのも初めてのことだ。過去にはこうした"初"が、一流馬に思わぬ凡走をもたらしたことがあるが、イクイノックスにとって不安要素となることはないのだろうか。関西の競馬専門紙記者はこう語る。
「阪神同様に(馬場が)"重い"と言われる中山コースで有馬記念を勝っていますからね、コース自体に何ら不安を感じることはないでしょう。距離もまったく問題なく、むしろこの距離がイクイノックスには向くかもしれません。
というのも、阪神の芝2200mはスタート後が緩い下り。その分、ペースが上がりやすいという特徴があります。有馬記念でテンに引っかかるところを見せたイクイノックスとしては、前半のペースが"どスロー"になるのが一番の懸念材料でしたが、その心配がほとんどないのですから。コース、距離ともにまったく心配はいりませんよ」
加えて、海外帰りの帰国初戦という点についても「不安はない」と同記者は続ける。
「海外遠征は確かに負担が大きいですが、今回のイクイノックスの場合、スタート後にハナに立って、そのまま押しきるという競馬で楽勝でした。それなら、馬にかかる負担も少なかったと思います。
実際、宝塚記念を前にして栗東に滞在して調整していますが、入厩してすぐに時計を出すなど、馬は元気いっぱい。ですから、海外帰りという点もマイナス材料にはならないでしょう」
いくつかある"初"については、どれもウィークポイントになることはなさそうだ。しかしながら、専門紙記者によれば「もしかしたら、これが最大の不安要素となるかもしれない」という"初"の材料があるという。
「雨です。イクイノックスは過去7戦、すべて良馬場でしか走っていませんからね。雨が降って、泥んこの極悪馬場になった場合、それに対処できるかどうか。そこは、大きな不安となります。
梅雨の時期ですから、そういう可能性がないとは言えません。もし雨が降って馬場が渋化した時は、イクイノックスも絶対と言えず、波乱が起こってもおかしくありません」
現に過去を振り返れば、馬場が荒れたことによって、ドゥラメンテ、サートゥルナーリアといった人気馬が勝利を逃している。天気次第ではイクイノックスも「テッパン」とは言えなくなるかもしれない。
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