大器ハーツコンチェルト 衝撃のデビュー戦以降は不本意なレースが続くも「春の大目標」へ陣営の自信に揺るぎなし

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Sankei Visual

2023年クラシック候補たち
第9回:ハーツコンチェルト

 現3歳世代における"衝撃のデビュー戦"と言えば、昨年9月の2歳新馬(9月18日/中京・芝2000m)を思い浮かべる人も多いのではないだろうか。

 同レースを制したのは、美浦トレセンの武井亮厩舎に所属するハーツコンチェルト(牡3歳/父ハーツクライ)だった。

昨夏の新馬戦を圧勝したハーツコンチェルト昨夏の新馬戦を圧勝したハーツコンチェルトこの記事に関連する写真を見る 単勝1.9倍という断然の1番人気に推された同馬は、スタート後は中団を追走。向正面で早くも進出していって、2~3番手の外につけて直線を迎えた。

 圧巻だったのは、そこから。前を行く馬に並びかけて鞍上が気合をつけると、一気に後続を突き放した。他馬に1秒以上の差をつけるメンバー最速の33秒9という上がりタイムをマークして、8馬身差の圧勝劇を披露した。

 この衝撃的な勝利によって、わずか一戦を終えただけで同馬をクラシック候補に挙げる声も少なくなかった。

 続く2戦目は、GII東京スポーツ杯2歳S(11月19日/東京・芝1800m)に挑んだ。初陣の結果を受けて、ここでも圧倒的な1番人気に支持されたハーツコンチェルトだったが、スタートで痛恨の出遅れ。ほぼ最後方からの競馬を余儀なくされ、直線に入って大外から追い込んだが、勝ち馬ガストリック、2着ダノンザタイガーに続く3着に終わった。

 巻き返しを図っての3戦目は、GIホープフルS(12月28日/中山・芝2000m)に参戦。中団やや後方の内でレースを進めたが、スローペースのなか、勝負どころで思うように動けずに7着に沈んだ。

1 / 2

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る