先週に続き朝日杯FSも荒れる!? 中内田厩舎の所属馬、未勝利・新馬勝ちからの参戦馬が波乱の使者となる (2ページ目)

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 次に目が行くのは、未勝利を勝ち上がったばかりの馬だ。

 実は近年、そうした馬の激走が目立っているのである。たとえば、2019年に14番人気で3着となったグランレイ、2020年に7番人気で勝利したグレナディアガーズらがそうだ。

 そこで、今年のメンバーを見渡してみると、未勝利勝ちから参戦する馬が1頭いた。ニシノベストワン(牡2歳)である。

 同馬は、デビュー戦の2歳新馬(9月24日/中山・芝1600m)こそ12着と大敗を喫したが、続く2歳未勝利(10月8日/阪神・芝1400m)で3着と善戦。3戦目の2歳未勝利(12月3日/阪神・芝1600m)で、ついに初白星をつかんだ。

 同レースでは好スタートをきるも、道中は中団の内を追走。直線に入って、空いた内側を突いて鮮やかな勝利を飾った。最後は33秒7というメンバー最速の上がりをマーク。再びロスなく立ち回ることができれば、上位争いに加わる可能性は十分にある。

 最後に狙ってみたいのは、新馬勝ちから参戦する馬だ。

 過去にこのパターンで制した馬は、2015年に2番人気で勝ったリオンディーズがいる。前例は他にないものの、先週の阪神JFでも新馬を勝ったばかりのシンリョクカが穴をあけた。

 まだまだ未熟な2歳馬たちの争い。しかも、今年の2歳牡馬戦線はこれといった絶対的な存在がいない。だとすれば、今週も新馬勝ちから参戦する馬の大駆けに期待したい。

 候補となるのは、エンファサイズ(牡2歳)とレイベリング(牡2歳)だ。

 エンファサイズは、2歳新馬(11月12日/阪神・芝1600m)で後方からポジションを上げて2馬身差の勝利。上がりもメンバー最速の34秒2でまとめた。

 レイベリングも、2歳新馬(11月26日/東京・芝1600m)で4コーナー11番手からメンバー最速の上がり33秒1という末脚を繰り出して3馬身半差の楽勝。潜在能力の高さを示すパフォーマンスを見せた。

 どちらも見どころたっぷりの内容で、新馬戦でメンバー最速の上がりをマークした点は阪神JFで波乱を起こしたシンリョクカと同じ。そういう意味でも、面白い存在となるのではないか。

 先に触れた未勝利勝ち馬もそうだが、そもそも新馬戦を勝ったばかりでGIに挑むということは、陣営がそれだけ素材のよさを見込んでいる証拠。未知なる可能性を秘めた素質馬たちの激走に期待したい。

 先週の阪神JFに続いて、朝日杯FSも"荒れる"のか。ここに挙げた面々が、その立役者となっても不思議ではない。

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