セントウルSは「逃げ」が得意な2頭に期待。人気薄馬だが、種牡馬のコース成績が波乱を予感させる (2ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Sankei Visual

 近3走はGⅠ高松宮記念9着、GⅢCBC賞12着、GⅢ北九州記念10着と着順こそよくないが、高松宮記念では勝ち馬から0秒3差、北九州記念では0秒6差と、それほど大きくは負けていない。特に、今回と同コースの高松宮記念での好走は期待度を高めるものだ。

 母の父サクラバクシンオーは、GⅠスプリンターズS2連覇の名スプリンター。産駒からはショウナンカンプ、ビッグアーサーと2頭の高松宮記念勝ち馬が出ているように、母系のコース適性も申し分ない。脚質的にはなるべく前に行きたい馬で、近走は同型が多く苦労していたようだが、今回はメンバー的にそれほど厳しい先行争いにはならなそう。流れに乗って上位に食い込む可能性は十分だ。

 もう1頭はシャンデリアムーン(牝6歳、美浦・斎藤誠厩舎)を推したい。父アドマイヤムーンの産駒もこのコースが得意で、2017年にセイウンコウセイが、2018年にファインニードルが高松宮記念を勝利。同レースではほかにも、2013年にはハクサンムーンが10番人気3着、2019年にはセイウンコウセイが12番人気2着と、人気薄の激走も少なくない。

 シャンデリアムーンは前走の福島テレビオープンで15着と大敗したが、馬込みで揉まれて怯んでしまい、力を出せなかった印象だ。2走前の春雷Sでは、先日のGⅢキーンランドCを勝ったヴェントヴォーチェ、近2走で重賞2着のタイセイビジョンに続く3着と、強い相手にまずまずの走りを見せていた。

 昨年のセントウルSは17着と大敗しているが、前半3F32秒9のハイペースを刻み、重賞でも通用するスピードを見せた。ファストフォースとの逃げ争いがカギとなりそうだが、マイペースでいければ粘り込みも可能だろう。

 以上、今年のセントウルSはファストフォース、シャンデリアムーンの2頭に注目する。

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