大阪杯も展開次第で「大荒れ」の予感。快速ジャックドールを巡る争いの陰で浮上する伏兵2頭

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Sankei Visual

 先週のGI高松宮記念は8番人気のナランフレグが勝利し、2着に5番人気のロータスランド、3着に17番人気のキルロードが突っ込んできて、3連単は278万4560円という超高額配当となった。

 続く古馬中距離の頂上決戦、GI大阪杯(4月3日/阪神・芝2000m)はどうなるか。

 振り返れば、昨年はコントレイルとグランアレグリアという人気2頭の一騎打ちと見られていたが、コントレイルが3着、グランアレグリアが4着に沈んだ。結果、3連単は10万円超えの高配当をつけた。

 そして今年、下馬評では再び、昨年の年度代表馬エフフォーリア(牡4歳)と目下5連勝中のジャックドール(牡4歳)による「2強」の一騎打ちといった状況にある。だが、同じ状況にあった昨年のレースや大荒れとなった先週の結果を見ると、"流れ"的にはもうひと波乱あってもおかしくないムードにあるが、はたして......。

 まず注目すべきは、ここまで圧倒的なスピードを武器にして勝ち星を重ねてきたジャックドールの存在。ここがGI初挑戦となるが、現場のトラックマンたちはどう評価しているのか。スポーツ報知の坂本達洋記者はこんな見解を示す。

「1勝クラスから一気の5連勝という勢いはもちろん、『サイレンススズカの再来』とも言われるハイラップの逃げは、非凡なものを感じさせます。

 実際、重賞初制覇となった前走のGII金鯱賞(3月13日/中京・芝2000m)では、前半1000mを59秒3で通過し、さらにそこから残り200mまでは11秒台のラップを刻んで、後半1000mでは前半を上回る57秒9という時計をマーク。驚異的なスピード持続力を見せての完勝でした。

 私は現地で取材していましたが、コースレコードまで記録するおまけつきで、その迫力ある馬体も含めて驚かされました」

 そうなると、大阪杯でもジャックドールがレースのカギを握ることになるのか。坂本記者はこう語る。

「それは間違いないでしょう。管理する藤岡健一調教師も『(ラップを緩めずにいけるのは)いいこと。速ければ、後ろが(ついて)こられない』と評していますから。

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