素質があるうえ「皮膚が薄い」という名馬の条件も備えるトレデマンド (2ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara

 引退後は、日本で繁殖生活をスタートさせたコンドコマンド。初子となったアルジャンナは、競走馬のセリ市「セレクトセール」で1億7000万円(税別)という高値で落札された。

 実際、アルジャンナはデビュー戦を楽勝。2戦目のGIII東京スポーツ杯2歳S(東京・芝1800m)でも、のちに二冠馬となるコントレイルには完敗したものの、2着と奮闘した。

 その後も、重賞戦線で善戦を続けて、GI日本ダービー(東京・芝2400m)に出走した。結果は、最下位の18着に終わったが、まだまだ今後の活躍が期待される素質馬である。

 そのアルジャンナの全妹となるのが、トレデマンド。同馬について、厩舎のスタッフたちはどう見ているのか。関西競馬専門紙のトラックマンがその様子を伝える。

「トレデマンドについて、厩舎スタッフの間では『素質のありそうなタイプ。いいものを持っていそう』といった共通認識があるようです。さらに、ディープインパクト産駒特有の軽さがあって、そのうえで『力強さも兼ね備えている』とのこと。気性については、『テンションが上がりやすいタイプではなく、扱いやすい』と聞いています」

 コメントだけ見ると、現時点では悪いところは一切なさそうだ。加えて、同馬の馬体についても、スタッフたちの評価は高い。トラックマンが続ける。

「(トレデマンドは)がっちりとアカ抜けた馬体の持ち主であり、それでいて『牝馬特有の丸みもある』とのこと。ふっくらした体つきは、見た目もいいそうです。

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