チャンピオンズCは外国人起用で必勝期す馬の対比にいる4頭が面白い (2ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

 こうした評価のとおり、クリソベリルに不安があるとすれば、今年も穴馬の台頭は十分に考えられる。その候補となるのは、どんな馬だろうか。

 坂本記者は、「カギを握るのは、今年のGIフェブラリーS(2月17日/東京・ダート1600m)を制したインティ(牡5歳)でしょう」と言って、まずは今年のレース展開について分析する。

「インティは休み明けの前走、GIIIみやこS(11月3日/京都・ダート1800m)では力んだ走りでオーバーペースの流れを作ってしまいました。メンバー最重量の斤量59㎏を背負っていたこともあって、15着に沈んだのは仕方がないでしょう。そんななか、上位3頭はすべて差し馬。力勝負と言うより、"かなり特殊なレース"だったと言えます。

 そうした競馬のあと、今回はインティが自分のペースを刻むような形に持ち込めば、ペースは落ち着くはず。ということは、中京・ダート1800mのコース形態から、本来の逃げ、先行馬が有利な展開になる――そんな騎手心理が働いてもおかしくありません。

 となると、今年は決め手のある馬がそろっていますが、それらに騎乗する騎手の心理は『(前が)届く位置へ』と働いて、3コーナー過ぎからペースアップする可能性があります。さらに、インティがマイペースで逃げても、先行勢が早めに捕らえにいくことが想定され、同様の展開となり得ます。結局、インティにとって、楽な競馬になるとは限りません」

 要するに、差し・追い込み勢が多いなか、一見するとインティや先行勢にとって優位な展開になりそうに見えるが、インティの出方を読む騎手心理を推測して判断すると、かなりタフなレースになるということ。そこで、坂本記者は「自在性や折り合いに不安のない、ワンダーリーデル(牡6歳)に注目しています」と言う。

「前走のGIII武蔵野S(11月9日/東京・ダート1600m)では、直線の長い東京コースにあって、4コーナーの勝負どころから長く脚を使うという、力がなければできない勝ち方を見せました。

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