「2強」断然の神戸新聞杯。一角崩しの期待は先行する上がり馬2頭 (2ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

 そして坂本記者は、ユニコーンライオン(牡3歳)を穴馬候補に挙げた。

「函館で2連勝を飾った上がり馬で、その先行力は魅力です。前走の2勝クラス・松前特別(7月21日/函館・芝2000m)でも、好位の3~4番手を追走。直線に入ってグンと伸びかけて、その後に一旦脚色が緩んだんですけど、ゴール前で再びギュンと脚を伸ばして鼻差で差し切りました。

 まだ粗削りな面があって、フワフワした走りではありますが、能力的にはまだまだ奥がありそうな印象を受けます。手綱を取るベテランの岩田康誠騎手も、その辺は頭に入っているでしょうから、今回も粘り込みを期待してもいいのではないでしょうか」

 ただし、今回は初の2400m戦。距離適性への不安はないのだろうか。

「父ノーネイネヴァーは、現役時代にフランスGIモルニ賞(芝1200m)を制するなど、短距離路線で活躍した種牡馬ですから、たしかに今回の距離はやや長いかもしれません。それでも、逃げ馬不在の少頭数のメンバー構成なら、そこはカバーできると踏んでいます」(坂本記者)

「2強」の一角崩しが期待されるユニコーンライオン「2強」の一角崩しが期待されるユニコーンライオン ユニコーンライオンについては、太田記者もオススメする。

「実は、ユニコーンライオンはデビューの時から気になっていた1頭なんです。年明けの新馬戦(1月27日/京都・芝1800m)、同馬は1番人気だったんですが、直線を向いた時には手応えが悪く、『これは負けるな』と思ったんですよ。ところが、外から伸びてきた馬に反応して再加速し、後続を振り切って見事な勝利を飾ったんです。当時、鞍上のミルコ・デムーロ騎手が『"負けない"という気持ちが強い』と、同馬の勝負根性を評価していたこともよく覚えています。

 切れ味よりも、しぶとさが身上の馬。唯一惨敗を喫したGIIスプリングS(11着。3月17日/中山・芝1800m)は、出遅れて後方からの競馬になってしまったので、度外視できると思います。実際、直後のGIIIアーリントンC(4月13日/阪神・芝1600m)では先行して粘って、勝ち馬からコンマ1秒差の5着と好走しました。

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