穴党記者が京成杯AHを徹底分析。開幕週でも狙いは末脚自慢の4頭だ

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

 いよいよ秋競馬が開幕。関東では9月8日にGIII京成杯オータムハンデ(中山・芝1600m)が行なわれる。

 ハンデ戦ということもあって、波乱の決着への期待が膨らむが、ここ3年間はいずれも1番人気が勝利。過去10年を振り返っても、1番人気3勝の他、2番人気が4勝、3番人気が1勝と、比較的手堅いレースといった印象が強いかもしれない。

 しかし、1番人気が馬券圏内(3着以内)に入ったのは、直近3年に勝った3頭だけ。2着には過去10年で6番人気以上の伏兵が8回も突っ込んできていて、何度となく波乱を演出している。穴党の出番も十分にあるレースと言えるだろう。

 では、どんな馬を狙えばいいのか。開幕週の定石としては先行馬だが、日刊スポーツの松田直樹記者はそうした考えに異を唱え、こう語る。

「開幕週の芝レースでは馬場がいいため、どこのコースでも『先行有利の前残り』と、誰もが思いがち。しかし、それはあくまでもイメージにすぎません。

 それに中山競馬場では、2012年の京成杯AHのレコード決着を受けて、2013年以降、秋開催の前には芝コースのクッション性を高めるため、路盤に穴を開けるエアレーション作業を施しています(※2014年秋は路盤改修のため、中山開催なし)。その効果もあってか、昨秋の最初の芝レース(2018年9月8日/2歳未勝利)では、勝ち馬が豪快な外差しを決めました。

 クッション性が高くて柔らかい芝は、スピードだけではとても押し切れません。中山の芝コースは以前よりも、差し・追い込み勢の台頭が目立つ舞台に姿を変えました。実際、過去4年はメンバー最速の上がりを繰り出した馬が連対を果たしています」

 そして、松田記者がまず狙うのは、ストーミーシー(牡6歳)だ。前走のオープン特別・朱鷺S(8月25日/新潟・芝1400m)でも、メンバー最速の上がりタイムを駆使して快勝している。

「今年に入ってから、9戦中6戦でメンバー最速の(最速タイも含む)上がりタイムをマークするほどの脚力自慢の馬です。前走の、直線に向いてからの加速には、鳥肌が立ちました。脚質的にどうしても展開に左右されてしまいますが、ここ数年の傾向どおりであれば、決め手を生かしての直線ごぼう抜きがあっても不思議ではないでしょう。

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