NHKマイルCは大荒れか。末脚自慢の
穴馬3頭に一発の匂いがプンプン

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Yasuo Ito/AFLO

 平成最後のGI天皇賞・春が行なわれてから束の間、令和最初のGIとなるNHKマイルC(東京・芝1600m)が5月5日に行なわれる。

 NHKマイルCと言えば、過去には3連単で900万円超えの馬券も飛び出しており、"荒れるGI"としてお馴染みのレースだ。1、2着が人気どおりに決まった2016年も、3連単は3万円超えの高配当をつけるなど、人気薄馬が馬券圏内に再三突っ込んできている。

 では、どういった馬が"穴馬"として狙えるのか。日刊スポーツの松田直樹記者は、今年のレース展開を想定してこう語る。

「今年は、有力どころが先行勢に集中しています。ということは、昨年のレースの再現になるかもしれません。

 昨年は、前走のGIIIクイーンC(東京・芝1600m)を1分33秒7の好時計で勝った3番人気テトラドラクマが他の人気馬も伴って隊列を引っ張り、最初の1000mで58秒0という厳しい流れを作りました。その結果、6番人気ケイアイノーテック(1着)の追い込みが最後に炸裂しました」

 確かに今年は、GI桜花賞(4月7日/阪神・芝1600m)の覇者グランアレグリア(牝3歳)、昨年末のGI朝日杯フューチュリティS(12月26日/阪神・芝1600m)を勝ったアドマイヤマーズ(牡3歳)、そしてGIIIきさらぎ賞(2月3日/京都・芝1800m)を快勝したダノンチェイサー(牡3歳)といった「3強」が有力視され、いずれもスピードを武器とした先行タイプ。それらが前でレースを引っ張れば、必然的にペースが速くなって、人気薄の追い込み馬に注意が必要、ということだ。

 そうした見立てから、松田記者が推奨するのは、ヴィッテルスバッハ(牡3歳)だ。

「出脚こそ遅いですが、年明け2戦の、前々走の500万下(1着。2月16日/東京・芝1600m)と、前走のGIIニュージーランドトロフィー(3着。4月6日/中山・芝1600m)では、ともにメンバー最速の脚を使っています。その末脚に不発はなく、前走も先行決着に終わった流れのなか、自らの競馬に徹して、1頭だけ後方から強烈な追い込みを見せました。

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