アーモンドアイがドバイWCに出走。有力な日本馬のリアル評価に迫る

  • 土屋真光●文・撮影 text & photo by Tsuchiya Masamitsu

 砂漠を舞台にしたカーニバルで、今年も国際競馬の幕が開く。5つのサラブレッドによる国際GI競走を含む、9つの国際競走が開催されるドバイワールドカップ(以下、ドバイWC)カーニバルが、現地時間3月30日にアラブ首長国連邦(UAE)のドバイにあるメイダン競馬場で行なわれる。

 今年の5つのGIのうち日本で馬券が発売されるのは、日本調教馬が出走するドバイゴールデンシャヒーン(ダート1200m)、ドバイターフ(芝1800m)、ドバイシーマクラシック(芝2410m)、そしてメインのドバイWC(ダート2000m)の4競走で、昨年と同じ。馬券発売のないGIIUAEダービー(ダート1900m)、GIIゴドルフィンマイル(ダート1600m)に出走する馬を含め、合計10頭の日本馬がドバイで調整中だ。

 中でも注目のレースは、昨年の牝馬3冠馬で、年度代表馬でもあるアーモンドアイ(牝4歳)が出走するドバイターフだろう。同馬のほかにも、ヴィブロス(牝6歳)、ディアドラ(牝5歳)と、過去3年の秋華賞勝ち馬が一同に顔を揃えた。これは、日本でもなかなか見ることができない光景だ。

レースに向けて調整を行なうアーモンドアイレースに向けて調整を行なうアーモンドアイ 21日未明に現地入りし、26日も芝コースで軽快な動きを見せていたアーモンドアイには、日本以外のメディア、競馬関係者からも熱視線が送られている。香港から同レースにサザンレジェンドを送り込むキャスパー・ファウンズ調教師が、「今日の動きを見たかい? 休み明けだろうと、初の海外遠征だろうと、まったく関係ないと直感する素晴らしさだった。あれに勝つことが簡単じゃないのはすぐに判るよ」と舌を巻くほど順調だ。

 アーモンドアイを管理する国枝栄調教師も、状態について満足そうに話す。

「美浦(トレーニングセンター)の検疫厩舎にいたときはピリピリしていたけど、こっちに来たら肩の力も抜けてずいぶんリラックスしてますよ。レースの乗り方はクリストフ(・ルメール騎手)に任せるけど、ゲートだけは五分で出してほしいので、当日はゲートボーイもつける予定。そのための練習も日本で積んできました。まずは自分の競馬を、という感じかな」

 さらに、ヴィブロスは一昨年のこのレースで鮮やかな勝ちっぷりを見せており、昨年も2着と好走しているコース巧者だ。ディアドラも、昨年のGI香港カップ(香港・シャティン/芝2000m)で、居並ぶ牡馬を相手に猛然と差を詰めて2着と健闘。昨年のこのレースではリアルスティールと並んで3着同着となっている。海外ブックメーカーの前売りオッズでは2頭ともに"伏兵"扱いだが、実績はアーモンドアイにも引けを取らないだけに、世界のファンを驚かせる走りを見せてほしい。

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