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金鯱賞、ダノン推しの元ダービー
ジョッキーが妙に気にする、もう1頭

ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」

 今年も、はや3月。春本番ですね。

 競馬界でも3歳春のクラシックの訪れを知らせる前哨戦、チューリップ賞と弥生賞が先週行なわれました。牝馬、牡馬ともに、本番に向けての勢力図が徐々に見えてきた印象です。

 そして今週も、東西で3歳牝馬クラシックのトライアル戦が2鞍、GIIフィリーズレビュー(3月10日/阪神・芝1400m)とアネモネS(3月10日/中山・芝1600m)が行なわれます。また、中京では古馬のGI大阪杯(3月31日/大阪・芝2000m)への前哨戦となるGII金鯱賞(3月10日/中京・芝2000m)が行なわれます。いずれもGIへの優先出走権が与えられる()レースゆえ、白熱した争いが期待されます。
※フィリーズレビューは1~3着馬、アネモネSは1、2着馬にGI桜花賞への優先出走権が、金鯱賞は勝ち馬に大阪杯への優先出走権が与えられる。

 なかでも、先日の中山記念に続いて、5頭ものGI馬が顔をそろえた金鯱賞は見応えのあるレースになりそうです。

 だからといって、GI馬だけに気をとられるわけにはいきません。中山記念でも、勝ったのは注目を浴びていたGI馬5頭ではなく、GI未勝利のウインブライトでした。

 これが、トライアルの面白いところ。やはり、GI本番の出走条件を満たした賞金のあるGI馬は、先を見据えて余裕を持たせていたのでしょう。これは、当然のことで、仕方がないことです。最善は尽くしていますからね。

 この流れからすると、今回もGI馬以外に注目が集まりそうですが、僕自身はダノンプレミアム(牡4歳)に期待を寄せています。

 2歳から3歳春にかけての4戦、デビュー戦からGII弥生賞(中山・芝2000m)までに見せた圧巻のパフォーマンスは、間違いなく世代ナンバー1でした。

 肝心のクラシック本番では、GI皐月賞(中山・芝2000m)を回避。GI日本ダービー(東京・芝2400m)では、初の敗戦(6着)を味わうことになりましたが、その敗戦も順調さを欠いていたこと、そして距離を意識して大事に乗られたこと、さらに窮屈な競馬を強いられてしまったことなど、不運が重なってしまっただけ。どれかひとつでもクリアできていれば、また違った結果になっていたと思います。

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著者プロフィール

  • 大西直宏

    大西直宏 (おおにし・なおひろ)

    1961年9月14日生まれ。東京都出身。1980年に騎手デビュー。1997年にはサニーブライアンで皐月賞と日本ダービーの二冠を達成した。2006年、騎手生活に幕を閉じ、現在は馬券を買う立場から「元騎手」として競馬を見て創造するターフ・メディア・クリエイターとして活躍中。育成牧場『N.Oレーシングステーブル』の代表も務め、クラシック好走馬を送り出した。

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