兄アドミラブルを越えるか。エスポワールは「予測不能」も調教は絶好 (2ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara

 同馬はこれまで、デビューに向けて入念に調教を積んできたが、スタッフの感触はどんなものなのか。関西競馬専門紙のトラックマンがその様子を伝える。

「厩舎のスタッフによれば、エスポワールはカイバをよく食べるみたいで『ムキムキの体つきをしている』とのことです。性格的には、少しピリッとしているようですね。姉のイサベルとは異なるタイプで、父がディープインパクトからオルフェーヴルに代わったことで、その違いが出ているのではないでしょうか」

 牝馬特有の線の細さという不安はなさそうだが、走りについてはどうなのか。先述のトラックマンが続ける。

「レースに向けて、『(豊満な)この体が(いいほうに出るか、悪いほうに出るか)どちらに出るかはわからないけど、芝のレースで弾けそうな雰囲気がある』と、スタッフは話しています。ただ、『体つきがあまりにも立派なので、一度使ってからのほうがいいかもしれない』とも分析していますね。

 調教の動き自体はいいですし、血統も申し分ないのですが、オルフェーヴル産駒はレースにいってみないとわからないことが多いですから。まったく走らないケースも多く見られ、未知数な部分が多いことは否定できません」

 オルフェーヴルの産駒は昨年からデビューし、早くも2頭のGI馬を出している。しかし一方で、調教で抜群の動きを見せていても、レースではまったく走らない馬も多数いる。はたして、エスポワールは走るのか、走らないのか、すべてはゲートが開いてからでないとわからない。

 注目のデビュー戦は、10月21日の2歳新馬(京都・芝1800m)。エスポワールが、兄姉が果たせなかったクラシックの栄冠を手にする器かどうか、きちんと見極めたい。

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