タイムフライヤーは、もうGI馬なのに「よくなるのはダービーの頃」 (2ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Yasuo Ito/AFLO

 それでも、その走りは確実に安定感を増していた。そして、その力を証明するように、続くホープフルSでGIのタイトルを手にしたのだ。

 1戦ごとに着実に成長を遂げてきたタイムフライヤー。陣営の評価は最初から高く、ここにきてなお、進化を遂げているようだ。関西競馬専門紙のトラックマンが、その様子を伝える。

「陣営のスタッフによれば、デビュー当初から『タイムフライヤーは厩舎の中でも高く評価していた1頭だった』と言います。何より、センスのよさが光っていたようです。以前はトモ(※腰から後肢の付け根)が緩かったそうですが、その点も『成長してグンとよくなってきた』とのこと。それが、レースぶりの良化にもつながっているのでしょう。

 それでも、『まだまだ完成途上。本当によくなるのはGI日本ダービー(5月27日/東京・芝2400m)の頃』とスタッフは話しています。今後がますます楽しみですね」

 依然、成長過程にあるタイムフライヤー。今春のクラシックでは、一段とレベルアップした姿を見せてくれるかもしれない。その意味でも、まずは復帰戦となるオープン特別の若葉S(3月17日/阪神・芝2000m)でどんな走りを見せてくれるのか、注目される。

 ところで、同世代の有力馬の多くは、先のGII弥生賞(3月4日/中山・芝2000m)に参戦した。そこが"王道路線"ゆえ、タイムフライヤーが若葉Sをステップレースに選択したことを疑問に感じている人もいるだろう。

 その理由については、先述のトラックマンが陣営から話を聞いている。

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