牝馬が強い宝塚記念。「今年はミッキークイーンが狙える」説に根拠あり (2ページ目)

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

 だが、それにしては、前走のヴィクトリアマイル(5月14日/東京・芝1600m)があまりに負けすぎ。これが、この馬の評価を難しくしている。

 その前走、単勝1倍台の圧倒的な1番人気に支持されながら、ほとんど見せ場なく7着と惨敗した。自慢の末脚も完全に陰を潜めていた。

 これが、この馬の実力なのか。現に「早熟。オークスを勝った3歳時がピークだった」という声が競馬関係者の間からも聞こえているが、本当にそうなのか。

 まずは、その前走の敗因を探ってみたい。

「(敗因の)一番は、距離が合わなかった、ということでしょう」

 そう分析するのは、関西の競馬専門紙記者である。

 しかし、昨年のヴィクトリアマイルは2着。同じくマイルの前々走、阪神牝馬Sは楽勝している。それゆえ、陣営は当初、ヴィクトリアマイルのあとは、6月4日の安田記念(東京・芝1600m)に向かうローテーションを組んでいた。

 その点について、専門紙記者はこう語る。

「ミッキークイーンは、もともと能力が高い。メンバー次第で、あれ(昨年2着のヴィクトリアマイルや快勝した阪神牝馬S)くらいは走れます。でも、本質的にはマイラーではない。その弱点が、前走のようなレースになると出てしまう」

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