今や最大の出世レース。共同通信杯から続々とクラシック馬が誕生するわけ (5ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • 三浦晃一●撮影 photo by Miura Koichi

 さて、今年のレースはどうか。やはり、今後のローテーションも考慮した、将来性のある関西馬が数多く名を連ねている。レースの行方について、再び前出の木村記者が予想する。

「このメンバーの中では、先々を考えると(素質では)スワーヴリチャード(牡3歳/父ハーツクライ)とムーヴザワールド(牡3歳/父ディープインパクト)が抜けているのではないでしょうか。昨秋のGIII東京スポーツ杯2歳S(2016年11月19日/東京・芝1800m)で、勝ったブレスジャーニーに僅差で敗れた2頭ですが、当時はあの時点での完成度の違いで敗れた印象があります。

 スワーヴリチャードは、重賞2着で賞金を加算したとはいえ、クラシック出走には安心できる収得賞金ではありません。新馬勝ちしかないムーヴザワールドにいたっては、勝ち負けが必須な状況です。そう考えると、ここはともに一戦必勝の態勢。きっちり結果を出して、中間でリフレッシュとチューンアップを施して本番に臨む、という青写真でしょうから、久々でもこの2頭が中心と見ていいでしょう。

 その他の関西馬、エアウィンザー(牡3歳/父キングカメハメハ)や、タイセイスターリー(牡3歳/父マンハッタンカフェ)らの強さも認めますが、ダービーを意識するかどうかで考えたとき、この2頭は少し距離適性が合わないイメージがあります。その分、先に挙げた2頭よりも評価を下げざるを得ません」

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