有馬記念の後にGI開催って、どーなのよ?今季のJRA日程に違和感

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu photo by Aflo

 今年も東西の金杯で幕を開けた中央競馬。昨年は16年ぶりの生え抜き女性騎手のデビューや、海外ビッグレースの馬券発売など、コアな競馬ファン以外にもインパクトを与える話題が続き、1年を通した盛り上がりに大きく貢献した。続く2017年も、この勢いに乗りたいところだ。すでに発表されている新設、変更点として、大阪杯(4月2日/阪神・芝2000m)とホープフルステークス(※申請中、12月28日/中山・芝2000m)のGIIからGIへの昇格、有馬記念終了後の12月28日の開催、地方競馬の祭典JBCと中央競馬の同日開催(11月3日)など、特にレースの格付けや開催日程に関連したものが多い。

昨年の有馬記念は実力馬が力を出し切る好レースとなり、大いに盛り上がったが......昨年の有馬記念は実力馬が力を出し切る好レースとなり、大いに盛り上がったが...... ところが、これらの施策に関しては、諸手を挙げて歓迎という声ばかりではなく、むしろ懐疑的な意見も聞こえてくるのが現状だ。

 まず、大阪杯のGI昇格について触れる。これまで、秋シーズンは天皇賞・秋(東京・芝2000m)、ジャパンカップ(東京・芝2400m)、有馬記念(中山・芝2500m)と、古馬の芝2000~2500mカテゴリーのGIが3つあるのに対し、春シーズンは6月の宝塚記念(阪神・芝2200m)までGI競走が行なわれない。そのため、古馬の一線級は長距離の天皇賞・春(京都・芝3200m)を目指すか、あるいはドバイシーマクラシック(メイダン・芝2410m)、ドバイターフ(メイダン・芝1800m)や香港のクイーンエリザベス2世カップ(シャティン・芝2000m)などの海外の中距離競走に活路を見出すほかなかった。そういった意味では待望された中距離GIであり、有力馬の国外への流出を防ぐ効果も狙ったものだった。しかし、今や各国とも大レースのスケジュールはグローバルな基準で考えられており、その流れには逆行するものでもある。

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