評価落ちの実績馬は恐い。有馬記念の歴史からマリアライトが光り輝く (2ページ目)

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • 村田利之●撮影 photo by Murata Toshiyuki

 同レースには、この秋のジャパンカップ(11月27日/東京・芝2400m)を制し、現時点で「現役最強」と言われるキタサンブラック(牡4歳)も出走していたが、これも3着に退けている。

 それほどの実績を持ちながら、有馬記念に臨むマリアライトへの評価が高まる気配はない。

 やはりこの秋の2戦、オールカマー(9月25日/中山・芝2200m)、エリザベス女王杯(11月13日/京都・芝2200m)で、それぞれ5着、6着に敗れ、立て続けに人気を裏切っているせいだろう。一部の関係者やファンの間からは、「もうピークはすぎた」との声も聞こえてくる。

 とはいえ、このように「ピークはすぎた」とか、「もう終わった」とか、まことしやかに囁かれてきた馬が、そうした下馬評を「なにくそ」とばかりに覆(くつがえ)してみせるのが、有馬記念というレースだ。

 一昨年のジェンティルドンナがいい例だ。

 秋のGI戦線において、天皇賞・秋は2着と惜敗。ライアン・ムーア騎手が騎乗して3連覇を狙ったジャパンカップでも、1番人気に支持されながら、馬券圏外の4着に沈んだ。さすがに「もう終わった......」との声が漏れるようになったが、4番人気と評価を落とした有馬記念で復活V。自らの引退レースを劇的な勝利で飾った。

 この秋、似たような経緯をたどるマリアライトが、ジェンティルドンナと同様の復活劇を再現しても不思議ではない。

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