【競馬】スプリンターズS、過去10年の結果から見えた「3頭の穴馬」 (2ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • 村田利之●撮影 photo by Murata Toshiyuki

 このうち、香港からの遠征馬であるウルトラファンタジー(せん)を除くと、ローレルゲレイロ(牡)とスノードラゴン(牡7歳)には、伏兵馬としての"共通点"がある。それは、同年春に行なわれた高松宮記念で好走していることだ。

スプリンターズSでの巻き返しが期待されるハクサンムーン。スプリンターズSでの巻き返しが期待されるハクサンムーン。 ローレルゲレイロは2009年の高松宮記念を逃げ切って快勝、スノードラゴンも2014年の高松宮記念で2着に食い込んでいる。にもかかわらず、ともにスプリンターズSでは人気を落とした。というのも、高松宮記念のあと、ローレルゲレイロは、GI安田記念(東京・芝1600m)で15着、秋初戦のGIIセントウルS(阪神・芝1200m)でも14着と惨敗。スノードラゴンは、地方のダート戦では2着と好走したものの、スプリンターズSの前のレース、GIIIキーンランドC(札幌・芝1200m)で8着と完敗したからだ。

 この2頭のことを考えれば、たとえ近走が振るわなくても、今春の高松宮記念で激走した馬を見限ってはいけない。むしろ、そういった存在こそ"狙い目"となる。

 今年、それに当てはまるのが、ハクサンムーン(牡6歳/父アドマイヤムーン)だ。

 ハクサンムーンは、今春の高松宮記念で2着と奮闘したが、それ以来となる前走のセントウルS(9月13日)では8着と大敗。この結果を受けて、人気を落としそうな状況にある。だが、ローレルゲレイロとスノードラゴンの例を踏まえれば、軽視はできない。巻き返す可能性は十分にある。

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