【競馬】この秋、春のリベンジ狙う「無冠の女王」ルージュバック (3ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • 村田利之●撮影 photo by Murata Toshiyuki

 とりわけ期待が持てるのは、クイーンズリング。春は、レースごとに馬体重の増減を繰り返して、その影響が少なからずあったはずだからだ。それでも、馬体重を減らしながら臨んだ桜花賞では4着と奮闘。秘めた能力は相当なもので、万全な態勢を整えれば、GI制覇も夢ではない。

 前出の栗山氏も、クイーンズリングの“逆襲”は大いにあると踏んでいる。

「クイーンズリングの母アクアリングの配合は、凱旋門賞3連覇を狙うトレヴ(牝5歳/フランス)の母トレヴィセや、2010年にカルティエ賞(欧州の年度代表馬の表彰)に輝き、GIの通算勝利数が14勝という“女傑”ゴルディコヴァにそっくり。成長力のある血統なので、秋以降に大仕事をやってのけても不思議ではありません」

 一方のキャットコインについては、デイリースポーツの豊島俊介記者が期待を込めてこう語る。

「無傷の3連勝でクイーンC(2月14日/東京・芝1600m)を制しましたが、クラシック本番では、桜花賞7着、オークス12着。気性的な難しさがあり、調整に苦労した点が響いたように思います。それが、夏を越して精神面が成長し、巻き返しが期待できます。一瞬の切れがあり、案外小回り向きで、京都内回りの秋華賞は合うんじゃないでしょうか」

 秋になると、上がり馬も続々と台頭してくる。しかし、それらを迎え撃ち、春のリベンジにかける“逆襲の3歳馬”たちからも目が離せない。

逆襲の秋(1) 3歳牡馬編はこちら>

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