【競馬】短期間でブランドを築いた小牧場
パカパカファームの「強み」 (3ページ目)
ところで、パカパカファームを最初から見続けてきた伊藤氏は、「社長」であるスウィーニィ氏についてどんな印象を抱いているのだろうか。
「とにかく、意志が強い人ですね。絶対に考えがブレないです。ホースマンとしての印象は、馬一頭一頭に対する記憶力がすごいことですかね。社長は、長期で海外に行くことも多いのですが、数カ月ぶりに帰ってきても、仔馬の馬体を見ただけで、どの馬かわかるんです。仔馬は数カ月でガラッと見た目が変わるのですが、それでもどの馬か判別できるのは、すごいことだと思いますね」
毎日のように牧場の仔馬を世話している伊藤氏でも、顔を見ずに馬体だけで馬を判別するのは、「なかなか難しい」と言う。しかも、仔馬は数カ月経てば、姿が一気に変わる。だからこそ、スウィーニィ氏の記憶力に伊藤氏は驚くことがあるようだ。
もちろんその記憶力が、仔馬の適切な管理につながっている面もあるだろう。これも、パカパカファームの飛躍をもたらした一因なのかもしれない。
伊藤氏からそのような印象を抱かれているスウィーニィ氏だが、反対に彼は、伊藤氏のホースマンとしての強みをこんなふうに語ってくれた。
「伊藤さんの素晴らしさは、動物とすごく仲がいいことです。馬はもちろんですが、それだけじゃなく、犬からもすごく好かれていますよ。当たり前のことではありますが、馬から好かれることは、牧場スタッフとしてとても大事。才能と努力の両方がないと、できないことだと思います」
3 / 4