【競馬】歴史が証明!? ダービーは「2強」決着では終わらない (4ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Nikkan sports

京都新聞杯を制したサトノラーゼン(左)。ダービーでも一発を狙う。京都新聞杯を制したサトノラーゼン(左)。ダービーでも一発を狙う。 今年で考えれば、青葉賞(5月2日)を制したレーヴミストラル(牡3歳/父キングカメハメハ)と、GII京都新聞杯(5月9日/京都・芝2200m)を勝ったサトノラーゼン(牡3歳/父ディープインパクト)が、それだ。

 レーヴミストラルは、兄姉が軒並み活躍している超良血で、さらに目下3連勝中と勢いに乗る一頭。これらのことから、ある程度人気を集めることが予想される。条件はぴったりでも「穴馬」としては推せない。

 一方、サトノラーゼンは人気の盲点になる可能性が高い。同馬は、初勝利までに5戦を要し、前走・京都新聞杯も決して派手な勝ち方ではなかった。そのため、前哨戦を勝利しながらも、あまり評価が上がっていないのだ。

 だが、サトノラーゼンには武器がある。そのレーススタイルだ。近年のダービーは、インコースが有利で、昨年の勝ち馬ワンアンドオンリーも、内々を先行してタイトルをつかんだ。サトノラーゼンの得意パターンは、まさにその形。ワンアンドオンリーと同様のレースを再現できれば、大仕事をやってもおかしくない。「穴馬」として狙うなら、こちらだろう。

 ちなみに、皐月賞の上位2頭が1、2着となった1995年のダービーは、別路線の青葉賞を勝ったサマーサスピションがケガで出走を回避。また、その他の前哨戦を勝ったマイネルブリッジとイブキインターハイは、皐月賞に出走して大敗を喫していた。

 つまり、この年のダービーは、「皐月賞不出走」で「別路線の前哨戦を制覇」した馬が不在だった。ゆえに、皐月賞と同じ2頭で決着したのだろう。

 はたして今年のダービーは、「2強」による決着に終わるのか。過去の歴史どおり、「2強」に代わって飛躍する馬が現れるのか。胸高鳴る決戦のゲートがまもなく開く――。

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