【競馬】フェブラリーSは、ハッピースプリントで「大穴」狙い
ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」
2015年最初のGIが開催されます。春のダート王決定戦となるフェブラリーS(2月22日/東京・ダート1600m)です。
昨年は大雪に見舞われて、代替開催が続いた東京開催ですが、今年はここまでスケジュールどおりにレースを消化。おかげで、フェブラリーSに出走予定の各馬も、順調に調整されているようですね。ダート界では現役ナンバー1のホッコータルマエ(牡6歳)や、前哨戦の根岸S(2月1日/東京・ダート1400m)を快勝したエアハリファ(牡6歳)が出走しないのは残念ですが、馬券的には面白いレースになりそうです。
舞台は、東京ダートのマイル戦。芝のマイル戦同様、騎乗する側としては、とても乗りやすいコースです。スタートしてから3コーナーまで長い直線が続いて、ポジション取りに苦労することがほとんどありません。スタート時に感じるプレッシャーも少なくて、上位人気の馬に騎乗しても、比較的冷静な気持ちで乗れるコースです。
まず注目は、昨年最低人気で勝利したコパノリッキー(牡5歳)でしょう。3歳春時点のパフォーマンスを考えれば、人気がなさ過ぎると思っていましたが、大舞台で見事に地力の高さを証明しましたね。その後の活躍を見ても、ダート界ではトップクラスの存在であることは明らかです。
現時点では、昨年末の東京大賞典(2014年12月29日/大井・ダート2000m)で完敗したホッコータルマエに「ダート王」の座を譲っていますが、同馬がフェブラリーSに出走していれば、逆転の可能性があったと思います。というのも、コパノリッキーは昨春の帝王賞(2着。2014年6月25日/大井・ダート2000m)でも、ワンダーアキュート(牡9歳)に敗戦。ホッコータルマエが大いに得意とする舞台、いわゆる力のいる地方のダートコースを、苦手とまでは言いませんが、決して得手にはしていないからです。
さらに地方の舞台でも、かしわ記念(2014年5月5日/船橋・ダート1600m)やJBCクラシック(2014年11月3日/盛岡・ダート2000m)を快勝しているように、コパノリッキーは右回り(大井)よりも、左回りのほうが良さそうです。そういう意味では、スピードを生かせる軽い馬場で、左回りの東京ダートコースはぴったりの条件。王者ホッコータルマエが相手でも、五分以上の戦いができたのではないでしょうか。
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著者プロフィール
大西直宏 (おおにし・なおひろ)
1961年9月14日生まれ。東京都出身。1980年に騎手デビュー。1997年にはサニーブライアンで皐月賞と日本ダービーの二冠を達成した。2006年、騎手生活に幕を閉じ、現在は馬券を買う立場から「元騎手」として競馬を見て創造するターフ・メディア・クリエイターとして活躍中。育成牧場『N.Oレーシングステーブル』の代表も務め、クラシック好走馬を送り出した。