【競馬】フェブラリーS、連覇を狙うコパノリッキーは盤石か? (2ページ目)

  • 土屋真光●取材・文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Kyodo News

 また、父ゴールドアリュールは03年にこのレースを制しているほか、過去5年で産駒が2勝2着2回と好成績を収めている。加えてコパノリッキーの場合は、母の父ティンバーカントリーが04年のこのレースの勝ち馬アドマイヤドンの父でもある。血統的な背景の後押しも大きい。

 こうした要素から、人気面では断然と思われているコパノリッキーだが、決して不安要素がないわけではない。

 ひとつは、チャンピオンズカップがそうであったように、この馬が「まったく走らない」タイミングが、いつどこで顔を出すかが判らないという点だ。確かに、あのレースではスタートで立ち遅れたという理由もあったが、中団から差すレースで勝ったこともあるこの馬としては、それだけが理由とは考えにくい。コースや距離に理由を求めようにも、同じコースで同じ距離の前走の圧勝ぶりから、それも該当しない。ペースが落ち着きすぎたとも考えられるが、レース後の田辺騎手が発した「全然(前に)行こうともしなかった」というコメントから、どちらかといえば気分的な要素のようにも考えられる。
 
 もうひとつは、実力は認められるものの、勝ったGIはそれぞれに恵まれた面もあったのではないかという点だ。昨年のフェブラリーSではホッコータルマエとベルシャザールに人気が集中したところで、出し抜けを食らわせたようなものだった。かしわ記念は、今ふり返ればメンバーにも恵まれており、圧勝したJBCもホッコータルマエが、まだ良化途上で、スピードを活かしやすい馬場も、コパノリッキーに有利に働いた。今回は当然マークもきつくなる。

 それを示すように、数人のトラックマンからはこのような声も聞こえている。「絶好調時のホッコータルマエほどに手がつけられないような相手、とは他のどの陣営も思ってはいないようです。それぞれに秘策を持っているようですよ」

 

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