【競馬】近年のトレンドから導いた有馬記念の「超穴馬」 (2ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara

 以前、金鯱賞は春に行なわれていたが、2012年から秋開催になった。すると、その年の勝ち馬であるオーシャンブルー(牡6歳。当時4歳)が、続く有馬記念で10番人気ながら2着に粘って穴をあけた。昨年も、金鯱賞3着のウインバリアシオン(牡6歳。当時5歳)が次戦の有馬記念で2着(4番人気)と好走。そういった近年のトレンドを考えれば、ラストインパクトへの期待はますます膨らむ。

 ただ、勢いのあるラストインパクトは、人気が高くなる可能性がある。となると、大きな"夢"を見ている方はやや物足りなさを感じるかもしれない。ならば、より高配当を狙える穴馬を探ってみたい。

 有馬記念のデータを見る限り、狙うべきは、2、3着に飛び込んできそうな伏兵馬だろう。というのも、過去10年の優勝馬を見てみると、2番人気以上の"主役"が8勝も収めているからだ(1番人気=6勝、2番人気=2勝、4番人気=1勝、9番人気=1勝)。前述したマツリダゴッホの大金星はあったものの、基本的に有馬記念は人気馬の勝利が多い舞台なのである。

 まして、今年は豪華メンバー。伏兵に1着を求めるのは、少々酷な気がするのだ。が、そんな有馬記念も、2、3着馬に目を向けると、違った傾向が見えてくる。1着が人気馬ばかりなのに対して、2、3着には9番人気以下の穴馬が過去10年で6度(計7頭)も絡んでいるのだ。つまり、有馬記念は「2、3着が荒れるレース」と言える。

 そして、さらに興味深いのは、2年連続で3着以内に入っている伏兵馬が2頭いること。一頭は、エアシェイディ。同馬は、2008年に10番人気ながら3着と好走し、翌2009年も11番人気で3着に食い込んだ。もう一頭は、トゥザグローリー。2010年には14番人気の低評価をくつがえして3着と健闘し、翌2011年も9番人気ながら3着を確保した。

 この2頭は、明らかに有馬記念という舞台を"得意にしていた"と言っていいだろう。言い換えれば、有馬記念では「舞台適性」が重要であって、近走が振るわずに人気を落としていたとしても、"狙える"ということである。

 その例からすれば、今年の出走予定メンバーでは、昨年2着に入ったウインバリアシオンと、一昨年の2着馬オーシャンブルーが狙い目。それぞれ人気薄の存在であることは間違いなく、適性を重視すれば、十分に穴馬候補となりえる。しかも、2頭は前述した金鯱賞からの参戦。ローテーション的にも悪くない。

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