【競馬】マイルCS、ワールドエースが得意舞台で頂点狙う (2ページ目)

 同馬は今春、芝1400m戦の重賞ファルコンS(3月22日/中京)を制しながら、その後、NHKマイルC(5月11日/東京・芝1600m)には見向きもせず、皐月賞(17着。4月20日/中山・芝2000m)、ダービー(4着。6月1日/東京・芝2400m)とクラシックレースに出走。3歳春の"王道"を歩んできました。

 確かに、距離適性を無視してもダービーに出走することはよくあるので、そこまではそれほど驚くことではありませんが、なんとタガノグランパはこの秋、菊花賞(10月26日/京都・芝3000m)にも参戦したのです。短距離重賞の勝ち馬としては、異例なことだと思います。

 しかも、ダービーにしても、菊花賞にしても、しっかりと長い距離に対応。それぞれのレースで4着と好走したことには驚かされました。単純に距離適性というよりも、折り合いがつくようになって、距離の融通が利くようになったのでしょうね。

 そうは言っても、距離が短いレースのほうが、決め手が鋭かった印象があります。そういう意味では、タガノグランパにとってマイルCSは、待ちに待った舞台と言えるのではないでしょうか。どんな競馬を見せてくれるのか、楽しみです。

ワールドエースは悲願のGI制覇を果たせるか!?ワールドエースは悲願のGI制覇を果たせるか!? さて、このレースの「ヒモ穴馬」には、毎日王冠でも注目していたワールドエース(牡5歳)を取り上げたいと思います(10月11日配信「毎日王冠、厩舎に勢いある3歳馬が波乱を起こす」)。

 そのときにもお伝えしましたが、ワールドエースは2年前のダービー(2012年5月27日)で1番人気に推されたほどの馬。その資質はGI級であることは疑いようがありません。

 前走の毎日王冠は、13着と不甲斐ない結果に終わりました。しかし、レース前から少し気負っていたこと、出負けしてまったく流れに乗れなかったこと、展開が向かなかったことなど、何もかもがワールドエースにとって、悪いほう、悪いほうへと傾いていました。まったく「度外視していいレース」とまでは言いませんが、今回"一変"する余地は残っていると思います。

 鞍上は、P・ブドー騎手(21歳/フランス)。まだ若いジョッキーですが、結果は出しています(2013年フランスリーディング3位。今秋、10月25日~12月28日までのJRA短期免許を取得。11月21日現在46戦7勝)。地元フランスでもGI勝ちがありますし、大舞台に立っても物怖じすることはないでしょうから、期待が持てます。

 京都のマイル戦は、かつてコースレコードを記録した舞台(4月27日のマイラーズC。タイムは1分31秒4)。相性のいいコースで、ワールドエースが真の実力を発揮してくれることを願っています。

 ところで余談ですが、この秋のGIは「重賞未勝利馬」が勝っていることが話題になっています。実は同時に、最初の3戦(スプリンターズS、秋華賞、菊花賞)は調教師が、その後の2戦(天皇賞・秋、エリザベス女王杯)はオーナーが、初のGI制覇を果たしています。こちらも非常に珍しいことだと思います。今回も、勝てばGI初勝利というオーナーが何人かいますね。前述したタガノグランパのオーナーがそのひとりです。

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プロフィール

  • 大西直宏

    大西直宏 (おおにし・なおひろ)

    1961年9月14日生まれ。東京都出身。1980年に騎手デビュー。1997年にはサニーブライアンで皐月賞と日本ダービーの二冠を達成した。2006年、騎手生活に幕を閉じ、現在は馬券を買う立場から「元騎手」として競馬を見て創造するターフ・メディア・クリエイターとして活躍中。育成牧場『N.Oレーシングステーブル』の代表も務め、クラシック好走馬を送り出した。

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