【競馬】根岸Sでエーシンウェズンの一発が期待できるワケ (2ページ目)
ただ気になるのは、別定59kgという斤量。520kg前後の大型馬で、そんなに苦にはしないと思いますが、GIやGⅡを勝っていない他馬よりも、3kg以上背負わされるというのは、さすがに重く感じます。これが、最後の最後で響いてしまうかもしれません。
一方のガンジスは、まだまだ成長途上の感はありますが、その分、奥があって、まったく底を見せていません。今後、どこまで強くなっていくのか楽しみな馬です。
鞍上は、内田博幸騎手が手綱を取ります。彼はタイセイレジェンドの主戦騎手でもありますが、今回はおそらく同厩舎ということもあって、ガンジスのほうを選んでの騎乗なのではないでしょうか。そして、今回の前哨戦から乗り替わるということは、それだけ「フェブラリーSでも勝負になる」という感触を持っているのだと思います。まさに、目が離せない一頭です。
レースのカギを握るこの2頭のうち、前を行くのはタイセイレジェンドでしょう。他に「前へ」という注文がつく馬もいませんから、ハナに立つのもこの馬だと思います。ならば、マイペースでレースを運べそうですが、重いハンデを背負っている分、早め早めの競馬をすると思います。
必然、ペースは比較的速く流れると僕は読んでいます。それを見越して、ガンジスは中段の好位、普段よりもやや後方の位置で、本番のフェブラリーSの距離(1600m)を見据えた競馬をすると思います。
そんな展開を予測して、今回の「ヒモ穴馬」にはエーシンウェズン(牡6)を挙げたいと思います。
昨春、芝からダートレース中心のローテーションに戻して以降、注目していた馬です。当時はまだ荒削りな一面を見せながらも、1000万下、準オープン(1600万下)と強い競馬で連勝。オープン入り後、骨折して休養していましたが、待望の復帰戦、「ここで勝つようなら、来春は面白い存在になる」と思って見ていた霜月S(11月18日/東京・ダート1400m)で見事に快勝しました。
それまで実績のない左回り、さらに休み明けと課題はありましたが、期待通りの強さでした。前走のカペラS(12月9日/中山・ダート1200m)では、後方から追い上げるも2着。コース内側の厳しいところを通ったうえ、勝った馬が重賞3勝の実績を持つシルクフォーチュン(牡7)だったことを思えば、この馬なりにはよく走っていると思います。
前走もそうだったように、スタートで後手を踏むことが多いのは懸念されますが、それでも勝ち負けしたのは、能力が高い証拠。タイセイレジェンドが引っ張る速いラップに、東京の長い直線も、エーシンウェズンにはこのうえない条件です。万一、次戦を意識するガンジスの仕掛けが遅れるようなら、一発も期待できます。
プロフィール
大西直宏 (おおにし・なおひろ)
1961年9月14日生まれ。東京都出身。1980年に騎手デビュー。1997年にはサニーブライアンで皐月賞と日本ダービーの二冠を達成した。2006年、騎手生活に幕を閉じ、現在は馬券を買う立場から「元騎手」として競馬を見て創造するターフ・メディア・クリエイターとして活躍中。育成牧場『N.Oレーシングステーブル』の代表も務め、クラシック好走馬を送り出した。
2 / 2