【競馬】桜花賞、「一強」ジョワドヴィーヴルに死角はあるか
ジョワドヴィーヴルは阪神JFを完勝したときのような走りを桜花賞でも再現できるか!? 桜花賞トライアルのチューリップ賞の前は、牝馬クラシック戦線はジョワドヴィーヴルの「一強」と言われていた。2着に2馬身半の差をつけた昨年暮れのGI阪神ジュベナイルフィリーズ(阪神JF)の勝ち方があまりにも鮮やかだったからだ。
ところが、そのジョワドヴィーヴルが、楽勝と思われていたチューリップ賞でまさかの3着に敗れてしまう。ここから、今年の"桜戦線"は、にわかに雲行きが怪しくなってきた。
彼女はなぜ、チューリップ賞で負けたのか? 今年の桜花賞を占うには、まずその点をどう分析するかだ。
関西の競馬専門紙トラックマンによれば、あのチューリップ賞の敗戦は、いくつかの理由が重なって起きたことだという。
ひとつは、当日の仕上げが、桜花賞本番のために余裕を持たせた「トライアル仕様」だったこと。特に栗東トレセン周辺は悪天候が続き、レースの週と前の週の調教コースは、最悪と言っていいような馬場状態にあった。そのため、もともと「余裕残し」の調教に、さらに狂いが生じた。
実は阪神JFのとき、主戦の福永祐一騎手が返し馬で「勝ちを確信した」というように、ジョワドヴィーヴルは調子の良し悪しが返し馬でつかみやすいタイプ。だがこのときは、そうした影響で「返し馬の感じが良くなくて、福永騎手はそこで『負けるかも......』と思ったという話でした」と専門紙トラックマンは語る。
加えて、当日の馬場状態にも左右された。「良馬場」と発表されていたが、いわゆるパンパンの「良」とはとても言えない荒れ馬場だった。しかも、チューリップ賞の1、2着馬が直線で外から伸びてきたように、外側有利の馬場。にもかかわらず、ジョワドヴィーヴルは内を突き、結果、思ったほどには伸び切れなかった。
以前、福永騎手にインタビューした際、ジョワドヴィーヴルについて「直線で内から伸びるようなレースをさせてみたい」と課題に挙げていた。ひょっとすると、このとき内を突いたのは、ここでそれを試したということなのかもしれない。
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