「ゴルフの内容がガラッと変わった」渋野日向子。米ツアーへの挑戦は集大成でも通過点でもなく「スタート地点」 (2ページ目)

  • 柳川悠二●取材・文 text by Yanagawa Yuji
  • photo by Getty Images

 賞金女王を争った2019年シーズンのあと、予選落ちに始まって苦境が続いた2020年、そして2勝を挙げた2021年を、こう総括した。

「この1年半、ゴルフの内容がガラッと変わったと思いますし、気持ちの持ちようも変わった。2、3カ月におよぶ海外遠征を2回もさせていただいて、自分に足りないものを見つけて、『もっと自分を変えたい』と思ってスイング改造にも挑みました。

(今年に入ってからは)2勝できて、ちょっとずつ大人のゴルフができるようになったと感じています。でも、要所、要所で悔いの残る1年半だったし、伸びしろがたくさんあるなと思えるシーズンでした」

 シーズン終盤に入って2勝を挙げ、継続して取り組んできたスイング改造における手応えもある。

「日に日にスイングは変化するし、毎ショット、毎ショット、いいスイングができたかと思えば、できないことも......。できたことのほうが今は少なく、完成度、再現性はまだまだです」

 すぐに渡米し、2週間後には米ツアーへの挑戦権を得る戦いが始まる。

「緊張感が増してきていますが、あと2週間あるので、そんなに実感はない。コースの下調べも全然していなくて、(すべては)アメリカに行ってからだと思います。なんとか予選会を通過して、来年はアメリカで戦えるようにがんばりたい」

 万が一、予選会を突破できなくても、下部ツアーで戦うという覚悟を以前は明かしていた。

「結果次第で、マネジャーさんや家族と話し合って決めていければいいなと思っています」

 23歳となった渋野が挑む新たなチャレンジは、通過点でも集大成でもない。

「スタート地点だと思っている」

 プロゴルファーとなった2018年以来、大きな転機を迎えた渋野は「海外メジャー全制覇」という目標に向かって、大きなステップを踏み出すことができるだろうか。

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