【木村和久連載】1年後に延期された東京五輪開催の是非を考えてみる (4ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

◆ゴルフ競技はどう開催するか
 ゴルフ競技だけを考えた場合、会場の霞ヶ関カンツリー倶楽部にギャラリーを少しだけ入れる、あるいは、メディアと関係者のみで運営する、ということはできると思います。

 前回のリオデジャネイロ五輪では、ゴルフ競技の会場はギャラリーがさほどおらず、スカスカでした。それでも、何の問題もなく試合は行なわれ、きちんと世界中に放映されましたからね。

 ギャラリーが2000~3000人規模なら、そこそこ盛り上がる絵柄も取れるし、ウイルスの感染対策や健康管理上も、問題は少ないでしょう。

 とはいえ、オリンピックにおいて、(実施競技を絞った)部分開催の可能性は低いでしょう。屋外競技だけやる、というのは不平等ですし、「オリンピック精神に反する」といった意見も出てくるかもしれません。第一、IOCが規模の縮小は「NG」と言っているみたいですからね。

◆東京五輪の開催が中止になったら...
 もしそうなったら、さまざまなケースが考えられると思うのですが、有志が集まっての記念大会、思い出の大会をやってもいいのではないでしょうか。この夏中止になった高校野球の甲子園大会が、代替開催でこじんまりやるといったアイデアに近いですね。

 その点、ゴルフは屋外大会ですから、選手たちがオリンピックの日程を予定に組んでいたら、すんなり日本で試合ができます。

 その時は、オリンピックのイメージを払拭するために、開催会場の霞ヶ関CCではやらない、というのもアリでしょう。日程的に残暑の時期だと思うので、軽井沢72ゴルフあたりで、涼しくラウンドしてもらえばいいと思います。もちろん、参加できる範囲の選手たちでね。

 その試合は、テレビでも放送して、CMもバンバン入れて、ある程度お金を稼いでもらいたいですね。そして、その収益の多くを、新型コロナウイルス撲滅のために寄付する、ということになれば、選手のみなさんも大義名分が成り立って、参加しやすくなるのではないでしょうか。

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