根強い人気の「シンデレラガール」。斉藤愛璃が表舞台復帰へ奮闘を誓う (3ページ目)

  • 金明昱●取材・文 text by Kim Myung-Wook
  • photo by Getty Images

 今年12月には、30歳になる斉藤。節目となる今季、現在の状況を打開したいという思いは強いはずだ。また、苦悩の日々が続くなか、これまで我慢強くゴルフを続けてこられたのはなぜか。それらについて、話を聞いた。

 斉藤は少し考えてから、自らが今思っていることを率直に語った。

「(ゴルフを続けてこられたのは)私の周りには、応援してくれる人がたくさんいる、というのが大きいです。スポンサーさんやファン、プロになったときからずっと応援してくれている方々が今もいます。家族も諦めずに応援してくれています。本当に自分ひとりでは、ここまでできなかっただろうな、と思っています。

 若い時は、周囲を見る余裕がまったくなかったんです。『がんばれ』と声援を送られても、自分のことでいっぱいいっぱいで......。でも今は、気持ちにも余裕ができて、周りを見ることができているんだ、と自分でも感じます。だからもう1回、自分が活躍している姿を(応援してくれる方々に)見せたい、という思いがあります。

 私はプロになるまで(所属のゴルフ場で)キャディーをやりながらプロを目指していましたが、それが本当にしんどくて......。『自分はまだプロになれないのか』と。かなりつらい日々でした。

 でも、プロになって、ギャラリーの前でゴルフができること、ゴルフをすることがすごく好きで、その時はとても幸せです。今は結果が出なくて悔しいことはたくさんありますが、プロになっていないときに比べたら、今のほうがずっと幸せだと感じるんです」

「それに......」と言って、斉藤はこう続けた。

「(自分は)嫌なことは、結構すぐに忘れるんですよ。忘れるから、いいことも忘れるんですけど。悪いことをずっと引きずってなくて、寝たら忘れるんです。結果が出ないことをずっと引きずっていたら、今頃は本当に病んでいますよ(笑)」

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