米ゴルフ界も騒然。引退を決めた宮里藍とPGAツアーの関係を振り返る (2ページ目)
すると、彼女はマネジャーと相談して、こう返答した。
「せっかくなので、試合でプレーしている選手のことを記事にしてほしい。だから、私のコメントは差し控えたい」
当時の彼女は21歳。自身を取り巻く報道の過熱ぶりに、やや苦慮していた姿は今でも鮮明に記憶している。それでも、常に彼女は自分なりに精一杯メディアに対応してきた。このときも、単に「(コメント)できません」ではなく、きちんと理由を説明して回答してくれた。その姿勢は、とても宮里藍らしいと、今さらながらに思い出される。
翌2008年には、今度は男子メジャーのマスターズの観戦に訪れた。
宮里藍はその週の試合を休んでオフウィークを過ごしていたが、翌週の試合がフロリダ州で行なわれるので、その移動を利用して3日目に立ち寄ったのだった。ちなみに、マスターズは観戦チケットの入手が非常に困難だが、米LPGAツアーの選手はツアーバッヂを見せれば入場することができる。
このときの宮里藍のお目当ては、その当時、世界の王者として君臨していたタイガー・ウッズをじっくりと見ることだった。この日はあいにくの雨。途中、雷による中断もあったが、宮里藍は大観衆に交じってウッズのプレーを必死に追いかけていた。
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